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今日は日曜日。なのに休みに限って早起きしてしまう俺をどうかと思う。
「この早起きが平日にもできればな」
俺は下に降りていき、居間で朝飯も食わずにボーッとしていた。
その時インターホンの音が家中に鳴り響く。
また母さんも父さんもいないな。息子を何日もほったらかしにて、どこに行ってるんだろうな。
考えているうちにも、鳴っているのでとにかくうるさい。
大輔だったら昨日の仕返しに殴ろう。
そう思って玄関に行き扉を開けた。
「武君久し振り~」
扉を開けた先には笑顔の女の人が立っていた。
「……桜さん?」
「今の間はなんだろうね~。もしかして忘れてた?」
こののんびりした話し方の女性は、夏樹のお姉さんで桜さん。茶色い髪にパーマをかけていて毛先がくるくるとなっている。いつも笑顔な女性だ。
「いやいやそんな事ないですよ」
「そっか良かった~」
桜さんは胸に手を当てて安心したかのように、微笑んだ。
「何しにきたんですか?」
桜さんが俺を訪ねてくるのは、何年ぶりだろう。昔は夏樹と一緒に遊んでたんだけどな。
「あっそうそう。何かね今から家の皆で花見に行くんだって~。そしたらお母さんがさ~、武君も誘ってきなさいって言ってたから」
花見かー。高校に入ってからは行ってないな。
「喜んでいきますよ」
「本当?じゃあ準備終わったら、家に来て~。それとお友達も誘っていいからね~」
友達?というと大輔か。ちょうどいい、コンロで丸焼きにしてやる。
「わかりました」
俺がそう言うと桜さんは、向かいの家に向かって歩き出した。
さーて大輔に電話するかな。
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