ガラクタな出会い

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要一は、黒い覚悟を胸に商店街を歩いていた。 街は、夕方の色を刻々と深めつつ黄昏れている。 平和な街角、流れるヒトゴミ。 《世の中は、不思議だ、探し求めても見付から無いのに、諦めたその時、探し続けた運命に出会う》 何故だか要一の足が止まった。 何気なく商店街の路地に気が行った要一は、信じられない気配を感じる。 路地の奥に、立体影像の様にぼやけた片翼の鳥が自分を見詰めている。 突然、殴られた様な痛み。 心臓が普段の倍以上の速さで跳ね回る。 『なっ、何だこれは?』 胸を押さえながら、何とかこらえ、一歩足を前に出す。 ………ドックン……… 心臓が震える。 自分の身体に起きている異変を、要一は理解出来ない。 怖いと思う感情が、要一の身体を縛り付ける。 なのに、路地から目が離せない。 そこにいる鳥は、夢で見た自分の分身とそっくりだ。 心臓は、ますます速くなる。 めまいすら感じる。 この路地の奥に隠れている。 要一の本能が警鐘を鳴らす。 震える足を前に出す。 『やっと見つけた、やっと出会ったと魂が叫ぶ!』 心臓の鼓動は、すでに限界を軽く超えている。 心とは別の本能が身体を路地奥に導く。 初めての体験に要一は、恐怖心よりも強い愛情が沸き上がる。
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