犯人は……

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犯人は……

 窓の外は雨。降りしきる雨がより一層この場の空気を重いものにした。  雨は一晩はやむことはない。部屋には四人の男。それと……血を流し、倒れている男が一人。  この現場は先程発見されたばかりで、捜査はなされていない。いや、それどころか警察すら呼んでいない。  彼等はざわめきながら意見を出し合う。警察を呼ぼうと言う意見が出たとき一人の男が立ち上がった。 「わかったぞ!」  突然の事に一瞬呆然とするも、直ぐに取り直し、一人が問うた。 「何がだ?」 「決まってるだろ。犯人が、だよ」  その一言でざわめきが増す。 「本当か!?」  一人の男が疑問をぶつける。 「ああ、本当だ。犯人は……伊藤さん! あんただ!」  視線が一気に伊藤と呼ばれた男に集まる。伊藤と呼ばれた男はこの集団の中で一番年老いて見えた。髪は全て白髪になり、顔はしわだらけ。だが、どこかしっかりとした顔立ちから五、六十歳だと思われた。
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