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拓「そうさせないために俺らがここに着てんだろ?」
『そうだけど…』
拓弥は何か考え込むように何も喋らなくなった
考え終わったのか拓弥は車に戻った
そして私を置いたまま車を走らせた
『ちょっと待ってよ!!』
そんな声、もう届かない
しばらく私はしゃがんでうずくまっていた
そこへ拓弥が乗った車が止まった
『もー置いていかないでよ!!』
拓「悪い…」
拓弥は車から出て台車の上に段ボールを置く
その前に拓弥は配達をする人の格好をしている
拓「棗はこの中」
拓弥は無理矢理私を段ボールの中へ入れた
『ちょっと何するのよ!』
拓「いいから!絶対喋んじゃねーぞ」
そう言って段ボールのフタを閉め私は暗闇の中にうずくまった
ガラガラガラとキャスターが鳴る
拓弥は再び、インターホンを鳴らした
拓「お届け物です」
カチャッ
その瞬間、頑丈に見えた門の扉が開く音がした
拓「侵入成功ー」
拓弥はそう呟くと私を押してガラガラと台車を動かす
「ご苦労様です。お荷物の方はあちらまで運んでいただけますか?」
拓「畏まりました」
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