願い

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『どうしてこんな事に…』 淳「生徒会全員、停学なんてとんだ恥さらしだ」 翼「薫、早くなんとかしないと英鈴の生徒どころか他校にまで顔向け出来なくなるぞ」 薫「分かってる…」 薫ちゃんの表情は険しさを増す一方だ それまで黙っていた桐山くんが口を開いた 双「それが最大のチャンス…って事だよね」 龍「やりましょう」 隆「それしか方法がないなら…仕方ないですね」 薫「出来る限りの事はやってみるか! 棗は森谷さんを頼む 後は俺等に任せろ」 『うん。分かった』 家に帰ると私は何時間も自分の部屋に閉じこもった 何度も何度も拓弥が私の部屋をノックする 私は出る事が出来なかった 色々な意味でも 拓「棗っ!いい加減反応しろよ!! お願いだから…声だけでも聞かせて…」 拓弥の切なげな声を聞かされた私はドアに近付く 『ごめん…』 色んな意味を込めての言葉だった 聞こえるか聞こえないかの声で言ったのに拓弥の耳にはちゃんと届いていた 拓「やっぱやだ」 『…ぇ?』 拓「ここ開けろ」 私は素直に言う事をきいてしまった ガチャ 開けた瞬間勢いよく拓弥が私をきつく抱きしめた 『たくっ…や…痛いよ』 拓「黙れ シカトし続けた事と…アイツと…キスした事… お仕置きしなきゃな」 『ちょっ…やだ!…っ』 拓弥は私の唇にキスをした それもいつものような拓弥の優しさは微塵も感じられなかった
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