願い

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紙を見ながら歩くわけにはいかないからじーっと紙を見つめて頭の中に無理矢理入れ込む そこへ人の気配が 私の緊張はステージに上がっている時よりも高い 紙をしまい歩き出す 前から人が歩いているのが見えた 私と同じ服を着た人だ ドクン ドクンッ ドックン すれ違い際に会釈を交わした 特に不信感は抱いていないようだ 拓弥の考えは当たっているってことだ 私はどんどん歩みを進めついに森谷さんの部屋の前まで到着した 一度深呼吸をし、ドアを鳴らした コンコン 『お嬢様っ…』 しかし、なんと言ったらいいのか分からない 言葉が繋がらない 焦っていると部屋が開いた 「何かありましたか?」 『あっ…あの……』 「…棗さん!!?」 森谷さんは私だと気付くと私を隠すように部屋へ入れてくれた 「どうしてこんなところにいるんですか!?それにその服…」 『どうしても森谷さんに言いたいことがあって…』
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