願い

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1時間が過ぎそろそろお開きになる頃になっても森谷さんは何も発せずただ座っているだけだった 淳「駄目か…」 龍「他に案を考えた方が良いんじゃないですか?」 薫ちゃんは依然として険しい表情を浮かべている 「それでは御退場されるので皆様、拍手をお願い致します」 私たちは立ち上がり拍手をする 双「やっぱり…無理でしたね」 『……』 私は何も言えなかった 心の奥底では、言ってくれるだろうと思っていたからだ 数分もすれば、さっきまで賑わっていた会場も段々と人が減っていき静かな空気が流れる その時だった 「天音棗様でしょうか?」 黒い服を着た男の人が私に話し掛けてきた みんなは警戒心をあらわにし、私の前には淳が立つ 淳「何か用ですか?」 「蘭子様からの伝言を…」 そう言って私に1枚の丁寧に折り畳まれた紙を渡すとそそくさと立ち去った 私はその紙を開く “聞いて欲しい事があります。3階の小会議室に着て下さい         蘭子” 私は淳と顔を合わせる 淳「早く行こう」 3階に着き、小会議室を探す 広すぎてどこにあるのか検討もつかない やっとのことで見つけるとドアに手をかけた所で動きが止まった 薫「どうした?」 『…なんでもない』 正直、内心複雑でどうしたらいいのか分からなかった ガチャ そこには森谷さん、森谷元総理…と両親? メイドさんも何人か立っていた
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