プロローグ

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「行こうか……」 繋いだ手からこの想いが伝わるように、少しだけ左手に力をこめてもう一度君に言う。 「……うん」 君は君らしい優しい笑顔で笑った。 そして、 「こんな毎日がいつまでも続きますように」 君は過ぎ去っていった風に向かって囁いた。 「続くんじゃなくて続けていこうよ、いつまでも」 こんなセリフは苦手で、きっと僕の顔は真っ赤になっていると思う。 それでも僕は君に、そして自分に向かって言う。 ささやかで、 何気なくて、 とても小さい。 でもなによりも、 どんな時よりも、 幸せなこの瞬間を、大切な君と過ごし続けるために……。
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