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つい反射的に返事をしてしまった。
けど、この子こんなのでいいのかな?
ただ私を待つ為だけにこんな所に閉じ込められて。
『ちゃんと覚悟ができたら返事をしてね。』
何か、私の考えてる事がわかるみたい。ちょっと複雑・・・。
でも、私がその能力を受けとればこの子はここから解放されるかもしれない。やってみよう!
(東條さんにも会えるかも知れないし。)
私は覚悟を決めた。
『もういいよ。』
『じゃあ、これから繭に能力を授けるわね。』
『お願いね!』
『目線を私に合わせて、肩の力を抜いて目を閉じて。』
私は言われた通りにした。すると額に少女の人差し指が軽く触れた。その瞬間、『熱っ!!』
少女の指が熱を帯びた鉄の様に熱くなり、私の額は火傷をした後の様な痛みに襲われた。
『これで終わりよ。』
『え?もう終わり?早くない?』
私は額を右手でおさえながら言った。
『うん。これであなたは夢の中に入り込む事ができる様になった。ただし・・・』
『ただし?』
『この力を使うにあたって約束事があるの。』
『やくそく?』
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