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『この力を使うにあたっていくつかの約束を守ってもらうわ。』
『わかった。』
『まず、この能力は複数の夢には使えない。一つしか効力がないの。』
『え!そうなの?』
東條さんの夢はもちろんだけど、ごちそうが沢山の夢や超美人になる夢なんか見た時にも使いたかったのに、がっかり。
(やっぱり、一つしかダメならあの夢かな。)
『そして、その一つの夢はもう決まってるの。』
『ええーーー!!何それー!!』
(自分で選ぶ事もできないのぉ?つまんないよ~。)
『そんな事思わないで。』
少女が少し悲しそうな顔をした。それもそうだろう。だってこの少女は私にこの能力を授ける為にずっとここにいたのだから。
(悪いことしちゃった。)
『ごめんね?こんな事他の人には経験できない事だから、すごく貴重だと思ってるよ。』
『ほんと?』
『うん!』
少女は嬉しそうな顔をした。大人びていると思ったけどやっぱりまだ子供なんだな。
本当は東條さんの夢がよかったけど、諦めておこう。この少女のいう『一つの夢』が何かまだわからないから。
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