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『わかったけどいけない事ってな・・・』
(ジリリリリリッ!)――
ジリリリリリッ!
「!!」
はっとして目をあけた。
「夢・・・?」
ゆっくりと起き上がり額に触れてみた。少し暖かい。
「やっぱり、夢じゃない。」
呆然とする私の横でしきりに目覚まし時計が鳴り続けている。
「繭!まだ寝て・・・、あら?起きてたの?その音うるさいから止めなさい。」
そう言うと母は部屋を出ていった。私は母のいう通りにした。そして鏡をのぞいた。
(あんなに熱かったのに火傷の後がない。)
「まだ聞きたい事、あったのに・・・。」
――いけない事って何が起きるの?――
「めずらしー!繭が私より早く学校来てるー!」
「ちょっとぉ、牧!朝はおはようでしょ!」
「あ、ああ。ごめんごめん!ついめずらしくてさ。おはよ!」
「もうっ!おはよー。」
「ねえ、繭。今日は嫌な夢でも見たの?」
一限目の授業がおわった後牧が尋ねてきた。
「何で?」
「だってさ、昨日は気になる夢を見たって言って遅刻ギリギリでずっと上の空だったでしょ?でも今日は来るの早かったし、夢見でも悪かったのかなぁって。」
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