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翌日。結局昨夜は東條さんとは全然関係ない夢を見た。しかし、今回も何の異変もなかった。またほっとした。
「おはよ~、繭。」
後ろから牧に声をかけられた。
「おはよ、ま・・・」
振り向いた先の牧の姿に驚いた。
「髪切ったのー!?」
「うん、やっぱり変かな?」
牧は少し照れくさそうに言った。
「全然!超カワイイ!」
牧は嬉しそうにはにかんだ。
他のみんなも牧のイメチェンに驚きはしたが大好評だった。
「昨日切ったの?」
「うん。繭が先帰ってていいって言うから美容院行ってきたの。」
「へぇ~。本当似合ってるよ。」
「ありがと。」
今日は先生に怒鳴られる事もなく、もちろん職員室にだって呼び出されず牧と一緒に帰る事ができた。
今日は二人でよく行くファーストフードのお店に寄り道をした。
「ねぇ、繭は好きな人とかいないの?」
「好きな人?」
コーラの入ったカップにささったストローをくわえながら考えた。
東條さん・・・。
彼が頭に浮かんだ。
「好きっていうより、気になるって感じの人ならいるかな。」
「そうなんだ。」
「牧は?」
「えっ?」
「牧はいないの?好きな人。」
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