決められた夢

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「う、うん、とね。」 牧の様子がおかしい。顔が少し赤い気がする。もじもじしてるし、これは明らかに照れてる感じだ。 「ふぅ~ん。いるんだ。」   「な、何が?」 「スキなヒト♪」 牧の頬が赤らんだ。 「相手は誰なの?」 牧が恥ずかしそうに答えた。 「んっとね、美容師さんなんだ。」 「え?もしかしてタクくん?」 「うん・・・。」 その人は私も知っていた。私達は同じ美容室に通っていた。牧の担当の人、名前は楠 拓海。私達はタクくんと呼んでいる。 「へぇ~、そうなんだ。で、いつから?」 「実は結構前から気になってたんだ。」 牧の話では前から気になっていて、最近会いたい気持ちが強くなったとか。でも美容師相手では難しいと思ったそうで、少しでも自分を見てほしくて思いきってイメチェンをしたという事らしい。 「突然髪切るって言ったのにはそういういきさつがあったのね。」 「うん。でも、やっぱ無理だよ。」 「何でよ?牧なら大丈夫だよ。」 「だって、向こうは綺麗な女の人飽きる位見てるのに私なんか無理だよ。」 「牧だって可愛いじゃん!そんな事言わないでよ。」
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