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あたりは真っ白な何もない空間になってしまった。 (また夢見れたのに、もう覚めちゃうんだ。)
私はがっくりと肩をおろしてしまった。 そろそろあの耳を突くような目覚ましの音が聞こえてくる。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。 ・・・・ん?
聞こえない。毎朝恒例のあの音がきこえない。
私はあたりを見回した。すると、『何もない空間』が『何もなかった空間』に変化していた。
誰かいる・・・。
『まだ夜中よ。繭。』
『え?』
『まだあなたは夢の中。』
『あなた、誰?』
そこには女の子が立っていた。絹の様なプラチナブロンドの髪に、透き通るような白い肌。キラキラと輝く蒼い瞳の小さな女の子。少し大きめな白い服を着て立っていた。 その子はこの空間の様に白かった。
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