最初の恋

２

「みっちゃん、」

ﾌｨｰﾙﾄﾞでお客さんにﾁﾗｼを渡し、ｱﾝｹｰﾄや声かけをしていると、不意にﾊｻﾞｰﾄﾞをつけた車に乗った佐々木副店長に手招きをされた。

「はい？」

その車を追う。
すると佐々木副店長は、私が普段はあまり入ることのないー入ることの憚られるーﾋﾟｯﾄに車を入れた。

「前後のﾗｲﾄ類のﾁｪｯｸを手伝ってくれる？」
「はい。」

藤島店長に負けず劣らずの爽やかな笑顔で、佐々木副店長が頷く。

「後ろからねー！」

言いながらｶﾁｶﾁとﾗｲﾄを点けて、私がそれを言っていく。
全てが正しく点滅するのを確認すると、佐々木副店長に声を掛けた。