プロローグ

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試合終了のブザーの音が鳴り響く。 そして観客からの割れんばかりの歓声が響き渡る。 コート内に立つものも含め、ベンチに座って居るものまでもが呆然と、ゴールネットを通り抜けたボールが地面に落ちるのを静かに見つめていた。 そのシュートを放った少年はそれを見届けると、そのまま崩れ落ちていく。 それをベンチで心配そうに見つめる少女。と、そのもう片方のベンチから少年の方へ駆け寄る女性。 全ては終わったのだ。 この長い長い戦いは今、ようやく終わりを告げたのだ。 これは一人の少年の戦いの物語。 辛くて、悲しくて、苦しくて、そして愛しい物語。 この物語は今ようやく、終焉を迎えようとしていた。
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