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「悪りぃ、悪りぃ、それよりいつものやろうぜ!」
爽太は足下に転がっているボールを拾い上げそう言う。
「なにそれー!本当に反省してるの?」
爽太が損ねてしまった陽菜の機嫌はさらに悪くなる。
「本当に反省してるって、だからやろ?」
爽太は屈託のない笑顔で言った。
その笑顔に陽菜は感化されたのかため息をつき、「もう……仕方ないなぁー」と言って軽く屈伸を始める。
爽太が陽菜を怒らせて爽太が謝り陽菜が折れる。
これが二人のスタイルだった。
陽菜が準備体操を終えると、爽太がゴールを背にしてフリースローラインに立ち、陽菜がボール持って向かい合うようにその正面に立つ。
一度ボールをついて爽太に向かってボールを投げる。
それをキャッチして、そのままバウンドさせて投げ返す。
そのボールが陽菜の手に触れると同時に、爽太は腰を深く落とす。
陽菜がドリブルを始めた瞬間、爽太と陽菜の1on1が始まりを告げる。
一時間のシュート練習、そして約30分のこの1on1。
これが爽太の毎朝の日課だった。
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