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爽太も当然、陽菜に対して引いて守っていた。
しかし、爽太は陽菜を左隅に追いやったことに安心したのか、プレッシャーをかけるため前に出てしまった。
これがいけなかった。
陽菜はそれを待ってました。と言わんばかりに一気に抜きにかかった。
身長約150センチから繰り出される低いドリブル。
陽菜は身長178センチの俺の脇したに潜り込み、一気に加速をした。
―――っ、こいつ
低いドリブルは爽太にボールを触れることを許さず、そのまま通り抜ける。
陽菜は俺を抜き去ると、そのままスピードを緩めず、シュートモーションに入る。
爽太は体を素早く反転させ、陽菜を追いかけた。
陽菜はドリブルを止め、レイアップのモーションに入る。
爽太はなんとかシュートコースだけでも塞ごうと、必死に手を伸ばす。
すると陽菜が高く飛んだ瞬間、シュートコースは爽太の手によってうまい具合に塞がれてしまう。
それに対して陽菜は俺のブロックを交わすと、右手から左手にボール持ち替え、シュート放った。
(ダブルクラッチ……まさかな)
陽菜のシュートはリング上を転々とし、なぞるように回る。
爽太はまさかとは思いながらも、ただ入らないように願いながら、その光景を見つめる。
爽太の願いが通じたのか、ボールはリングから零れ落ちた。
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