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「えっ?ゴメン、もう一度言ってくれないかな?」
真剣な目つきで、
まるで私を射抜くように
じっと見つめてくる彼に、
ただただ呆然と聞き返せば、
「カナはいつもそうだね?
俺の話を真面目に聞いてくれない・・・
聞こうとしない!
でも今回は、何度でも言うから、
俺と仕事どっちが大事なんだよ?」
「なっ、アナタと仕事って…」
やはり、聞き間違いではないようだ…
思わず、半笑いになれば、
「カナっ!」
と切羽詰まったように、
机を両手で叩きつけて立ち上がる。
ちょうど、そのとき
卓上に乗ったコーヒーが
一瞬勢いよく波打ち、
カップにあたって
数滴こぼれた。
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