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「有!小比類巻!」
視界の端でニアがペットを呼ぶのが聞こえた。
ポルンガは二人が消えたあたりを呆然と見つめている。
間もなくして、有と小比類巻が息を切らしながら四本足で走ってきた。
「……ゼェ…ハァ…ニア…様…ケホケホ」
「そんなになるまで頑張んなよ」
「いーえ……私達…ペットです…から」
ニアが苦笑した。
「急いで町中から魔女捜してこい」
その一言で、有と小比類巻はすっくと立ち上がり、四本足で来るときよりも速く駆けていった。
「二本足で速いなら初めからそうすればいいのに…」
備前がそう呟いたのは秘密である。
和也はポルンガに駆け寄った。
「おい、大丈夫か」
「大丈夫じゃないわよ、自分の目の前で妹が消えれば…」
和也はホッとした。いつものポルンガだ。
あとにポルンガが小さい声で、あの魔女ぶっ潰すと言ったのは無視した。
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