電話

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じりりりりりりり じりりりりりりりりり 朝。 けたたましい電話のベル音が狭い部屋鳴り響いた。 部屋は長年使っているのか、くたびれて見える。 部屋には少しの家具しか置かれていない。 その少ない家具の中の一つであるベッドが、みしりと音を立てた。 「うるせぇな・・・」 むくりと布団から顔を出したのは銀髪の男。 物凄く不機嫌そうな顔をして布団の中に入ったまま受話器に手を伸ばした。 「ふぁい、もひもひ」 『おいニア何で起きてねーんだよ、もうすぐ出発なの分かってんのか?』 受話器から流れてくるこれまた小うるさい声を聞いてニアはうんざりした。 すでにぼさぼさである髪をひっかき回すようにしてばりばりと掻いた。 「分かってるわアホ、こんな朝早くに電話かけてくんな和也」 ニアの声からしてものすごく嫌だったらしい。 そんなことはお構い無しに和也は話を進めた。 『うっせーアホにいわれたかねーよ。それで、今日の七時に集合な!じゃ、』 ツーッツーッツーッ ───……アイツ、勝手に切りやがった ニアはさらにしかめ面をして時計を見た。 六時三十分。 しゃーねえ起きるか、とニアは布団からのそのそ起き上がった。
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