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少し雑談した後ニアがぶらぶらと歩いてきた。
「おまたー」
ポルンガが椅子からすっくと立ち上がる。
「おそぃいいいいい!!」
ニアが立ち止まるやいなや、ポルンガが叫んだ。
ニアは耳を塞ぎ、和也は聞いてないフリをし、備前は肩が跳ねた。
「いーじゃんか別に。だって俺ユズと話してたんだよ」
「ポルンガごめん」
ユズがひょっこり顔を出した。
「ちょ、ユズ!何でこんな奴と居んのよ!」
「何でって…道案内なんだけど」
ユズが頭にハテナをとばしまくりながら言った。
「道案内くらいいいじゃんか」
ニアがくあっと欠伸をした。
その態度が気に食わないのか、ポルンガの額に青筋が浮き上がった。
「大体ね、ニアがしっかり早く起きてくれればもっと早く出発できたのにニアのせいで待たせる人がどれだけいるかわたしと和也がどれだけ待ったかあんたはわかんないでしょうねしかも備前さんに迷惑かけちゃったしタダでお団子とお茶もらっちゃったしすごくおいしくて得したんだけどニアは遅れてきたんだからそんなおいしさは分からないでしょうねざまあみろまあそれはいいとしてあんた今まで何してたのホントとろいんだから目覚ましかけなさいよまったく大体──…」
ガミガミガミとポルンガが叱る間、ニアは和也と目を合わせた。
備前に至ってはお盆を構えている。
──何かがおかしい
空気?いや、これは・・・
ニアは咄嗟にユズを見た。
突如、ユズの足下に光り円が浮き上がった。
ポルンガは異変に気づき、口を半開きにしてユズを見つめている。
「あー、きっつ…もっと大きく描けば良かったわ」
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