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まだ中身が半分ほど残っている納豆パックを一旦机の上に置き、開けた鞄から今度はDSを取り出し起動させた。
「私はいいよ、面倒臭い。頑張ってくださいねーみなさーん」
「だから、アンタも頑張るんだよ!」
「私はぶよぶよをやるんだぁぁぁ! 待ってろ16連鎖ぁぁっ!! 今日こそふぃーばーに頼らず自力で達成しちゃるわぁぁぁぁっ!!」
「……駄目だコリャ」
スタートボタンを押し、一人でぶよぶよモードをポチッと選択。好きなキャラを選んでいざ! ぶよ勝負!
そして軽快な音楽が響いたと同時に。
『キャアァァッ!!』
断末魔にも似た女子の叫び声が私の耳をつんざいた。同時に菜々の声も。
「来たぁぁっ!! 早瀬くん達が来たよ、尊っ!!」
「来ねぇぇっ!! 赤が来なきゃ次が積めねぇじゃねぇかクソがぁぁぁあ!!」
私の目には今、ゲーム画面しか映っていない。
それでも周りの女子達が浮き立ち前の扉の方向へ手を振っている事と、壁際の男子達が驚き半分妬み半分といった感じに短く息を吐いている事は雰囲気でわかった。
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