15人が本棚に入れています
本棚に追加
ナンパじゃなかったのかな?
本当にただの良い人だったんだ…
「あ…、ありがと!」
人の優しさに触れて、少し気分が軽くなれた
彼はまたくるりと向きを変えて、私に満面の笑みを向けて…
こっちに近づいてくる!?
「な、なに!?」
そして私の隣にドカッと腰を降ろして
「やっぱり気が変わった♪ 大人しく帰ろうかなって思ったけど、良かったら少し話し相手になってよ♪」
また無邪気な笑顔で、私に言う
この無邪気な笑顔…
私弱いな
「う…うん、少しだけなら…、でも私なんかと話してても面白くなんかないよ?」
「なんかね、お姉さんの雰囲気好きやねん、なんか落ち着く♪」
「お姉さんって…私そんなに年上じゃないと思うよ?」
「でも俺みたいなガキより全然大人っぽいもん♪ あ、俺はシュン、ハタチのガキんちょです♪」
「あ、私ほんとにお姉さんだ…24歳、葵です。」
「24歳なんや♪ やっぱり大人っぽいもんね♪」
「悪かったわねオバチャンで!」
「違う違う、そんな意味じゃなくて、ほんと良い意味で♪」
…少しだけのつもりが、いつの間にかもう一時間も話していた、
シュンはずっと笑顔で話してくれていて、つられて私も笑顔にしてもらって
楽しい話をいっぱいしてくれて
いっぱい私を笑わせてくれた
「やっぱり外は寒いわ、葵チャンお腹空かない? 俺腹ヘったわ…、ちょっとだけ飯付き合ってよ。」
「ほんと…やっぱり寒いね、そうやね、軽くご飯でも食べようか。」
シュンといると楽しいし、私の話もちゃんと聞いてくれる。
まだもう少しシュンと話をしていたいから…
そして二人で、駅前の居酒屋に入って、
色んな話を沢山していっぱい笑って、私の話もいっぱい聞いてもらって
途中から私が泣き出したところまではなんとなく覚えている…
最初のコメントを投稿しよう!