葵の章 愛してよ

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ナンパじゃなかったのかな? 本当にただの良い人だったんだ… 「あ…、ありがと!」 人の優しさに触れて、少し気分が軽くなれた 彼はまたくるりと向きを変えて、私に満面の笑みを向けて… こっちに近づいてくる!? 「な、なに!?」 そして私の隣にドカッと腰を降ろして 「やっぱり気が変わった♪ 大人しく帰ろうかなって思ったけど、良かったら少し話し相手になってよ♪」 また無邪気な笑顔で、私に言う この無邪気な笑顔… 私弱いな 「う…うん、少しだけなら…、でも私なんかと話してても面白くなんかないよ?」 「なんかね、お姉さんの雰囲気好きやねん、なんか落ち着く♪」 「お姉さんって…私そんなに年上じゃないと思うよ?」 「でも俺みたいなガキより全然大人っぽいもん♪ あ、俺はシュン、ハタチのガキんちょです♪」 「あ、私ほんとにお姉さんだ…24歳、葵です。」 「24歳なんや♪ やっぱり大人っぽいもんね♪」 「悪かったわねオバチャンで!」 「違う違う、そんな意味じゃなくて、ほんと良い意味で♪」 …少しだけのつもりが、いつの間にかもう一時間も話していた、 シュンはずっと笑顔で話してくれていて、つられて私も笑顔にしてもらって 楽しい話をいっぱいしてくれて いっぱい私を笑わせてくれた 「やっぱり外は寒いわ、葵チャンお腹空かない? 俺腹ヘったわ…、ちょっとだけ飯付き合ってよ。」 「ほんと…やっぱり寒いね、そうやね、軽くご飯でも食べようか。」 シュンといると楽しいし、私の話もちゃんと聞いてくれる。 まだもう少しシュンと話をしていたいから… そして二人で、駅前の居酒屋に入って、 色んな話を沢山していっぱい笑って、私の話もいっぱい聞いてもらって 途中から私が泣き出したところまではなんとなく覚えている…
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