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「ま……政宗様っ……はっ……」
右目の押し殺された喘ぎ声が激しく響く。
深夜に響く音は、それと独眼竜が淫靡に奏でる粘液の重奏。
政宗の貪る行為は薄暗く小十郎を照らす一本の蝋燭が尽きるまで。
小十郎は短くなっていく蝋燭に目配せをする度、
時が戻ればと願う気持ちと、行為に夢中にならねばと焦る気持ちに追われる。
だがしかし、その気持ちに襲われるのは政宗の企てに因るものでもあるのだ。
= あっちを向いて =
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