第四章

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菩薩が消えてからようやく落ち着きを取り戻した一行は今後について話し合うことにした。 三蔵は緑苑に翼の直し方を教えてもらっている。 飲み込みが早い三蔵は直ぐにコツを掴み翼の出し入れをしていた。 そのたびに二、三枚の羽根がひらひらと落ちる。 それはどこか幻想的な光景だった。 二人とも翼を直すと席についた。 因みに椅子が一席足りなかったのでわざわざ隣の部屋から一席持ってきた。 五人の位置は、右に悟空と悟浄、左に八戒と三蔵、上座のような場所に緑苑が座っていた。 「どこから話せばいい?まずは生い立ちから行く?」 緑苑の言葉に異議をとなえる者はいなかった。 そして緑苑は静かに語り始めた―――――――
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