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天界――――――
観世音菩薩がよく下界を見ている水面。
今そこに、一人の青年が立っていた。
肩ぐらいの長さの銀髪、目は明るい薄緑。
その横顔は誰かに似ている。
彼は水面をジッと見ていた。
水面には妖怪と戦う三蔵一行が映っている。
その中の一人を瞳に映すと青年は柔らかな笑みを浮かべた。
「あと少しだよ……紫苑」
そして近くにあった椅子に座ると目を閉じた。
生き別れとなった妹に想いを馳せながら―――――――
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