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4本、それ以外は持ってくるのは薬だけ。何もない、あるのは紙と鉛筆だけ。鉄格子の向こうは廊下を挟んで窓になっていて、そこにはハンガーがあった。俺はあまりにもやることがないので紙を細く丸めて鉄格子の向こうから腕を伸ばし、上手くハンガーに引っかっけてハンガーをとり、見回りの看護師に自慢気に見せびらかした。すると看護師は他の看護師を呼んでひそひそと何か話している。言われた言葉が先生に報告すると、俺は何でこんなことで・・・言葉にできない悔しさだった。 当たり前だ!ほんの数日前まではヤミ金の店長をやっていて人に威張り散らししていたのだから・・・次第に俺はどうすればここから出られるか、考えるようになり、大人しくしていれば出られると言われたので言う通りにした。看護師がボロボロのスラムダンクを持ってきてくれた。俺は喜んで見るが何か昔と違う。読みたいのだが、読んでも上手く言い表せないのだが、簡単に言えば集中できない。それが病気の症状とは夢にも思わないので、きっとつまらないだからだとその時は思っていた。
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