天草銀物語

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何もやることがないので寝ようと思うが全く眠気がこない。その内、俺はコンクリートの向こうに話し始める。名前は教えてくれない。けれど君は神様、神様、うるさくて、僕のことも神様って言ってたぞ!と言われ、俺は暇なので色々と話しかけるがあまり会話はしなかった。というよりしてくれなかった。それからは1日に3回は話をするようになった。俺はその人と仲良くなって向こうからも話しかけてくるようになった。名前はTさん、年は40代前半、Tさんの口癖は前の病院は良かった。だって男女混合だぜ!そこのトイレで女とやったんだ。でも追い出されと、僕は働いて1000万円の貯金がある。俺は言い返す。300万俺に貸してくれたら400万にして返すのになぁと、実際に俺は自信があった。俺は仕事の時と警察以外にはあまり嘘をつかない。童貞を捨てた時は嘘をついた。ヘルスで気に入ったからいいよ!と言われ、緊張してたら初めて!?と言われ2回目と嘘をつく。でも元カノには浮気をした理由ではないが嘘つきと泣かれた・・・今、心残りはそれだけだ。顧客リストのことを業界用語でネタと言うのだが、上質のネタであれば赤字になることはない。上手くやれば、1人から100万以上引っ張ることができる。だがそんな簡単にいいネタが入る理由ではないので自然と契約をとるのはそれなりに難くなってくる。契約を結ぶためのトークを覚えるのに朝7時から遅い時は夜の11時まで、休みは週1で給料は20万ちょっと、時給でいえば900円もいかないだろう。マンションの1部屋に4人で寝たり、仕事場になっているリビングで机を上手くずらして布団をひいて寝る生活だった。仕事の話はこれぐらいで、俺はオーナーに300万渡して仕事の再開などと淡い夢をみる。そこの病院は家族が持ってきてくれないとジュースも飲めない。Tさんは毎日、麦茶で俺はよくジュースを分けてあげた。鉄格子の間から腕を通し、コップを手渡す。コップにジュースを入れ、また手渡す。俺も余っている理由ではないがTさんが喜ぶのが嬉しくて良く分けてあげた。
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