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「あ、ありがとうございますっ」
「気にしないで、段ボール持つよ。君、新入社員だろ?」
「ありがとうございます…。はい…失敗しかしてませんが」
俺がそう言うと彼は声を上げて笑った。
その時の驚き様は言葉じゃ表せない。
よくエリートサラリーマンと言われる格好をした人が、段ボール箱を抱えて笑っているのだから。
明らか高いスーツに身を包み、縁の無い眼鏡の奥には冷たそうな瞳がいる。
あまり笑わなそうなイメージだったのだが、初対面から見せられた無防備過ぎる笑みとは全く噛み合わない。
俺の頭の中は一人でリオのカーニバル状態だ。
…別に興奮しているんじゃなくて、唯単にごちゃごちゃしているわけ。
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