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「君はなかなか面白いね」
「え?」
面白い事を言った覚えの無い俺は思わず彼を見返した。
エレベーターに乗り込んでから彼はシャンと背筋を伸ばし、前の重く閉まった扉を見つめていた。
「新入社員なのだから失敗して当たり前じゃないか。君は偉人じゃない。極一般的な日本男児だ、人間なんて失敗をしながら成長するものさ。だから失敗を出来る限り今の内にしておきな」
彼は外見とは似ても似付かない程の優しい笑みを俺に向けた。
その時かもしれない。
俺が恋に落ちたのは…。
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