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白い女、赤の他人。
「っ…眩しい…」
一月ぶりの郭の外は眩しく、私(ワタクシ)は早々に傘を広げたので御座います。
チリンチリンと涼しげな音を沢山鳴らしながら、風鈴売りが歩いて行きました。
私をちらと見、「しろこ」と眉を潜めて呟き歩いて行きました。
白金色の私の髪。
瞳孔までもが血色の私の瞳。
肌が乳白色の私に白粉は必要御座いません。
貧しかった私共の家。
私共は穢多非人と言われる者で御座いました。
両親は私が十の頃、女衒(ゼゲン)に唆(ソソノカ)され私を売りました。
その後女衒屋を幾つも巡り、辿り着きましたは花街、嶋原。
現在私が勤めさせて頂いております場所に御座います。
「…こんぺい…とう…」
はたと目に留まりました菓子の名をぽつり。
しゃら、と風にチリカンのビラが揺れたと思いましたら、私の目線は金平糖を離れ、ある殿方に奪われたので御座います。
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