白い女、赤の他人。

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玄関へ駆けつけると、そこにはやはりあの日の女が居た。 傘をさしてはいるが、白い肌と髪が眩しくて、宗次郎はほんの少し目を細めた。 表情一つ変えずに一礼してきたので、慌ててこちらも頭を下げた。 「あ、あの…」 「先日はいきなり声をかけてしまい、申し訳ございませんでした。」 「あっ!いえいえそんなっ!寧ろ何て言うか…嬉しかったッス!」 長く白い睫毛に縁取られた大きな赤い瞳に見据えられ、少し頬を紅潮させながら女の言葉を目一杯否定する 「つきまして、今回は此の事でこちらを伺わせて頂いた次第にございます」 そう言いながら、女が懐から出したのは財布。 「あっ!それ俺の…っ」 そう言えば、と目を丸くする宗次郎に、女は微笑みそれを差し出した。 「あの日落ちておりました。もしやと思い参じてみたのでございますが、そうですか、やはり…」 「っ有難うございます!えっと…ごめんなさい、名前…」 前も聞いたのに、と申し訳なさそうにする宗次郎。 そんな姿をクスッと笑って、白い女は唇を開いた。 「銀に華と書いて、"ぎんか"と申します」
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