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「さ、誘ったっつーか…あの…お礼を兼ねてですねぇ…」
「成る程、良い理由だ。」
「ちょっ!本当にお礼にちょっと甘味屋でも…ってぇ…」
尻窄みになっていく声量。
増してくる頬と耳の赤らみ。
沖田はそんな宗次郎を見ておかしそうにクスッと笑った。
「っつーかその女は何者なんだよ。聞くところによりゃぁえらく仕立ての良い着物着てたそうじゃねぇか」
不機嫌そうに刻まれた眉間の皺は浅くならないまま、土方が訊ねる。
「ああ…島原の遊女らしいですよ」
「ぶっ!…遊女ぉっ!?」
「ちょ、土方さん汚いよ…」
さらりと言いはなった宗次郎の言葉に、思わず土方が吹き出した。
沖田は嫌そうな顔で土方に冷静に言うが、どちらが正しい反応かといえば土方だった。
「随分でかいたまぁしてんじゃねえか宗次郎。お前が入ってきてから粛正した奴等ぁ皆女がらみだぜ?」
あるものは田舎の女に金を催促され局の金に手をつけて粛正。
あるものは遊女に溺れて局を抜けようとし粛正。
そんな中、恐る事もなく女と交友をもたんとする宗次郎に少し呆れながらも関心した。
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