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マスクまん▽様
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それからレインは毎晩、フィーネのことを考えるようになった。
常に戦場のことしか頭になかった自分はどこにいってしまったのだろう。そんなことすら考えるほど、レインはフィーネに惹かれていた。
また隣国といえど、距離はある。会いたいのに会えないという状況が、二人の想いを一層強くしたのだった。
「あぁ……お前に会いたい……」
月が高く昇る戦場の夜、レインは寝る前にそう呟いた。
敵軍となったフィアレイクの砦を前にしても、レインのその想いは揺るがなかった。
「でも……次に会う時は、死別の時になってしまうのだろうか。それなら一層のこと……このまま時間なんて止まれば良いのに……」
一瞬だけ、本当なら訪れたであろうフィーネと過ごすはずだった、幸せな未来を想像した。
それがもう実現しないと思うと……
レインの目から涙が流れた。
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