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悠裏様
―――――――――――
――決戦当日の早朝、レインは目が覚めてしまい、1人外に出ていた。
まだ、霧がかかり目の前もよく見えないほどの視界の悪さ……だが、太陽が出てくれば霧は勝手に晴れてくれる。
昨夜は綺麗に月が出ていた。
そういう時は決まって次の日は晴れる事が多い。
レインは何を思ったか、いきなり剣をすっぱ抜いた。
踏み込まずにその場で剣を水平に振るい、さらに空に十字を描くように下から上に切り上げる。
それだけでは止まらず、レインは剣を目の高さに持ち上げ、切っ先を正面に向けて、弓に矢をつがえて引き絞るような構えをとった。
「はあぁぁぁっ!!」
レインは放たれた矢のように一足飛びに突進する。
5メートルの距離を疾風のごとく駆け抜け、ピタッと止まる。
しばらく、そのまま止まっていたが後ろから拍手が聞こえ、拍手がした方向に目を向ける。
「相変わらず見事な動きだ、レイン……君は剣を振るっている時が一番のようだね」
「セプト……いつからいたんだ?」
「――ちょっと前かな?……さすがに眠れなくてね」
眠れない?セプトが?
何故だ?
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