【2】フィーネ=フィアレイク

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ひろひろ様 ――――――――――― レインは疑問を抱きながら、手にしていた両刃の長剣を鞘に収める。   「眠れないって……何処の誰が?まさか、お前じゃないよな……セプト」   一瞬、穏やかな表情になり微笑むレイン。いつもは口に出さない冗談がレインの口から零れた。   「はははっ!冗談が上手いなレインは……ここには、僕と君、二人しか居ないだろ?少なくとも今は……」   滅多に聞くことが無いレインの冗談を聞いたセプトは、瞳に涙を溜め、声を上げて笑う。   出陣は明朝とは言え、時間的には少し速く、まだ時間がある。 当然、他の兵士達は、皆寝床に就いており起きてくる気配は無い。   仮に誰かが起きて来ようとも、この深い霧の中では気付かないだろう。もし、気付くとしたら、セプトみたく傍に来なければ気付かない。 「ふふっ、それもそうだな」   レインは薄く笑い、傍にあった小さな石に腰掛け、フィアレイク国があると思われる方へと視線を向けた。   「やっぱり気になるのかい?」   「気にならない――って言ったら嘘になるな……」  
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