【3】傀儡の王と糸を操る参謀

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悠裏様 ――――――――――― レインは手紙をじっと見つめる。 一字一句、丁寧に読み上げると、内容を理解したレインはカタカタと指を震わせていた。   「そんな……いや、まさか!?」   『私達、フィアレイク国は決して同盟国であるシェフィールド国を、裏切ってなどいません。 これは、虚妄でも言い訳でもありません。 これは真実です。 レイン……もう事態は止められないでしょう、でも貴方には知ってもらいたかった。裏切者のまま、レインには討たれたくなかった。おそらく言葉を交わせないままになるでしょう。さようなら愛しいレイン……        フィーネ』   手紙の内容に頭をハンマーで殴られたような衝撃を覚える。 レインは自分が一番危惧していた事が、現実となったことに狼狽していた。   「これが真実……。 だとしても皆を止める術がない。これだけでは、確固たる証拠が無ければ……」   レインは策を次々と考えるが、どれもあやふやなもので決定打にはならない。 誰かが強く主張すれば、一瞬で吹き飛ぶようなものばかりだ。   「……待てよ、止める方法が1つだけある……。失敗すれば、自分の命はないが……それは天に賭けるしかない」  
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