【1】プロローグ~蠢く闇~

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ひろひろ様 ―――――――――――  それは、レインの婚礼の儀が一ヶ月後と迫った時に起こった。   ドリー王は、旧友でもありフィアレイク国を治める王、"ネイル=フィアレイク"へと婚礼の儀に必要な物を、密書と共に届けるよう使者を出していた。   この時は、両国の国民にはレインとフィーネの婚約は伝えておらず、婚約の儀までは極秘に準備を進め、直前に伝えようと決めていた。   故に、二人の婚約を知っているのは、当人達二人を除き、ドリー王とネイル王、そしてセプトと数人の部下のみ。   今回、遣いとして出した使者も信頼出来るドリー王直属の部下だった。   使者を出して3週間が過ぎた……未だに使者は帰ってこない。 いくら隣国とは言え、最低でも一週間は掛かる距離。故に、二週間もあれば帰って来てもおかしくない。   だが、一向に帰ってくる気配はない。痺れを切らしたドリー王はフィアレイク国へと新たな使者を出そうとしたその時だった――   二週間前に遣いを出した使者が、全身に無数の斬り傷を負い、大量の鮮血を流し、覚束ない足取りで戻ってきたのだ。  
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