1051人が本棚に入れています
本棚に追加
「それと…」
「えっ?まだあるの?」
私がそう言うと加藤君は手に力を入れた。
「俺は担当作家さんだからといって、食事に誘ったり用も無いのに家行ったり、ご飯を作ったりしないよ」
「…それって」
「全部木下さんだから。今度こそ逃がす気は無かったからね」
何か……すごい告白を聞いたような。
「もう絶対離す気は無いから覚悟しといてね」
何だか今更だけど……加藤君って…加藤君って
凄い人かも…。
でも……
「私も絶対離す気は無いから覚悟してね」
二人で微笑みを交わし硬く手を繋いで月明かりを歩く。
昔好きだった人は
今も好きな人です。
.
最初のコメントを投稿しよう!