―フリーズしてます―

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「実は今、凄く緊張してるんですよ。ずっと綾部先生のファンだったもので」 カップを持とうとして止まる。 今なんて? ファンとか言わなかった? 加藤君が私の…ファン? 「先生の作品は全部読ませていただいてるんですけど、特に『春』が好きで何度も読み返しています」 そう言われたのと同時に、私の手からコーヒーカップが滑り落ち、テーブルの上にコーヒーをぶちまけていた。 「あっ!やっ、やだ!ゴメ、ゴメンなさい!イイイッ、今拭くもの!」 思いっきり動揺しながら、私はキッチンへ布巾を取りに走った。 .
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