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俺の目当ては、この街一番の大きさを誇るカジノ。
『ラストステージ』
週末はここのカジノでポーカーをするのが決まりだ。
何故って? このポーカー台の女がイイ女だからよ。
名前はエミリ。俺の大好きな日本人の血が入っている。黒い髪が、真っ赤なドレスに良く合っている。
日本人の血が入ってるけど、エミリは間抜けな顔はしない。いつも無表情。
ポーカーのディーラーだから当たり前っちゃぁ、当たり前だが、このエミリが一瞬でも笑った所を見たことがない。
だから、俺はエミリを何とか笑わせようと思っている。
「よう、エミリ。久しぶりだな。寂しくなかったか?」
「全然」
エミリは全く表情を変えなかった。いつもこんな調子。
「なぁ、たまには遊びに行こうぜ。映画なんてどうだ?
ほら今、ニンジャ映画がやってるだろ?」
「……あれは忍者じゃない。日本が誤解される」
口ではそういっているが、それを嫌がっているのか、逆に面白がっているのか全く解らない。
「へぇ、じゃぁ一緒に観て、本当のニンジャとの違いを教えてくれよ」
「……いいわよ。ただし――」
「お前に勝ったら、だろ?」
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