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 エミリとの勝負はいつも1対1のポーカーだ。  5枚のカードがエミリと、俺の前配られる。  どんなカードが来るかは、運任せ……と、言いたい所だが、ここは一流カジノ。  配られるカードはディーラー次第。  ダイヤのエースに、ハートのクイーン。クラブの8に、スペードの2、そしてスペードの5。  ……エミリの奴。ブタ札よこしやがって。  いらないカードを捨てて、新しいカードを引く。  どんなカードを引くかは、運次第……と言いたい所だが、やっぱりここは一流カジノ。  どんなイカサマでもバレなきゃいいんだ。  俺は5枚のカードを捨て、新たに上から5枚、カードを引く……と見せかけて、上から6枚目のカードから5枚引いた。  俺ぐらいの一流の腕と指使いがあれば、こんなのワケない。  エミリのことだ。上から5枚は全部ブタ札になるようにしてるに違いない。  ……しかし、手の中のカードは、てんでバラバラ。見事なまでのブタ札だった。  エミリも5枚を捨てて、上から5枚カードを引く。 「……私は、正直者が好きなんだ」  エミリが広げたカードは2のスリーカード。それから。スペードのエース。とダイヤの8。  こりゃ見事にやられた。 「OK。今日から俺は素直な男になるぜ」  エミリはクスリともニヤリともしなかった。
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