1人が本棚に入れています
本棚に追加
そして目が覚めた。車の中で寝てしまったようだ。
夢だった。
ただ、その“車だったもの”は原形も留めておらず、私は変形したドアに足を切断されていた。
後で聞いた話だが、対向車線から酒帯運転をしている大型トラックが突っ込んできて、車が大破したらしい。
生存者は四人の家族の中でただ一人、私だけだったそうだ。
ショックはあまり感じなかった。
特に望んでいた訳でも無いが、今更ながら家族の繋がりの薄さを感じた。
しかし、周りの大人は何かと世話を妬いてくる。
五月蝿い。
本当に私を心配している大人はどれくらい居るのかな。いや、もしかすると居ないのかも知れないな。
結局、私は父方の従姉妹の家に引き取られ、車椅子での生活を強いられた。
最初のコメントを投稿しよう!