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「まっ待って、架純!!」
走り続ける架純の後ろ姿をただただ追いかける私
「ねぇ…架純ってば!!」
止まろうともしない架純に私は訴え続ける
「ちゃんと…聞いてってば」
それでも架純の足はブレーキをかけない
「大紀とは[ただの幼なじみ]なんだってば!!」
────足音が止まる
『絢音の事信じてた』
架純は後ろ姿のまま、そう言い放った
「だから…違っ」
『絢音?…本当はさ』
「………ん?」
私の言葉をさえぎって、やっと心を開いてくれた架純に耳を傾ける
『怖かった』
そう私に向けた架純の顔は涙でぐちゃぐちゃだった
「ゴメンね…?」
そう言って私は架純を抱きしめた
『絢音は私が萩原くんが好きって知ってる─でも絢音は萩原くんと幼なじみだから仲良いのは仕方ないって思ってた…でも絢音本当は萩原くんの事が好きで私は裏切られるんぢゃないか…って不安だった』
「ゴメン…あたし最低だよね」
『─違う、違うよ絢音。最低なのは私だって!勝手に嫉妬して勝手に怒って…ゴメンね』
そんな架純がいつもの何倍も..か弱く見えて次第に抱きしめる力が強くなった
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