12人が本棚に入れています
本棚に追加
『…ね?』
微かに聞こえる愛しい人の声
『…やね』
何回も聞いた事のあってどこか懐かしい響き
『あやね』
この声とこの響きで呼ばれる私の名前
───「あやね」
─────────
───────────
絢音って名付けてくれたのは私の母親なんだって。
でも、「絢音」と呼んでくれたのは一度だけ。
普段は「あーちゃん」って呼んでたから…
でもお母さんは最期を迎える時、私に「絢音、ゴメン」って絢音って呼んでくれた。
「ありがとう、お母さん」
今なら素直に言えるのにどうして言えなくなっちゃうの?
ふと目の前が明るくなる
…まぶしい光が差し込む
『おはよ。絢音』
私の視界の中心にあなたが姿を現した。
最初のコメントを投稿しよう!