《時をかけるオッサン》

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春菜 「皆さん、安原はお国の為、イヤ、地球の為人類の為に戦って参ります!」 一同 「(拍手)頑張れー! (敬礼)行ってらっしゃ~い! (歌う)蛍の光、窓の雪~、ラ~ラ~ララ、ラ~ラ~ララ……」 安原 「その歌おかしいでしょ? 帰って来ないのを前提にしている」 一同 「(ハミング)ルールール、ルールールー……」 安原 「(観念して)分かりましたよ。行けばいいんだろ、行けば!」 今井 「怒っちゃヤーよ」 安原 「(今井に)大体あんたがこんな物を作るから、こんな事に」 今井 「自分の才能が怖い」 安原 「それはいいんだよ!」 美智子 「で、いつにタイムトラベルする?」 安原 「そうですねぇ、とりあえず昨日に」 リサ 「小っさ! スケールが小さくない?」 春菜 「大きいとは言えないわね」 安原 「分かりましたよ。じやあ、一年前」 リサ 「一年前か、なんかガッカリ」 安原 「じゃあ、五年前」 春菜 「肝っ玉も尻の穴も小さいわ」 安原 「分かりましたよ。じゃあ、十年前!」 美智子 「もう一声!」 安原 「(自棄なり)えーい、こうなったら一万年前でどうでぃ!」 木下 「失敗したら、一万年前で一生を送るのか」 鶴見 「一万年前って、何時代だ?」 リサ 「それはそれは古い時代」 安原 「……(泣く)」 一同 「行ってらっしゃ~い」 今井 「あ、残念ながら、このタイムマシンは、百年単位でしか移動出来ません」 安原 「(安心して)危ねぇ」 鶴見 「だったら、百年前に行って、そこから百年前に行って、更に百年前に行ってって、繰り返せば一万年前に行けるぜ」 安原 「どうして、あんたはいつも悪知恵だけ働くんだ!」
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