《時をかけるオッサン》

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鶴見 「(悪い顔で)クックック」 安原 「帰って来たら、ただじゃおかないからな」 鶴見 「帰って来たらな」 安原 「(悔しい)」 今井 「では、早速百年前に」 鶴見 「ちょっと待て! どうせタイムトラベルするなら、未来に行けよ」 春菜 「どうして? 百年前でいいじゃない」 鶴見 「過去を振り返ってもしょうがないぜ」 春菜 「それもそうね」 今井 「では、百年後に」 安原 「イヤー、それはいかがなものでしょう?」 春菜 「何か文句でもあるの?」 安原 「万が一、百年後に地球が存在してなかったらどうします?」 一同 「(不安で)……」 リサ 「そんな事ないですって」 安原 「言い切れますか?」 リサ 「じゃあ、それを安原さんが確認しに行くという事で」 安原 「自分は、それが嫌だと言っているんです」 美智子 「じゃあさ、十年後に行きなさい」 今井 「では、十年後に」 安原 「イヤー、それもどうでしょうか?」 鶴見 「今度は何だよ」 安原 「万が一、この中の誰かがお亡くなりになっていたら、自分はどうしたらいいんですか?」 一同 「合掌」 安原 「やっぱり行くのやめます」 鶴見 「冗談だろ」 安原 「もしもこの中の誰かが······。 そんな現実を突き付けられて、どんな顔をして帰って来たらいいんですか?」 木下 「この中の誰かが死んでたけど、誰かは言えません。って顔」 安原 「そんな顔出来ない。帰って来る気力を失います」 鶴見 「帰って来なきゃいいじゃん」 安原 「オレ、オマエ、キライ」 リサ 「何で片言なの?」
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