《時をかけるオッサン》

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今井と鶴見と木下とリサと春菜と美智子と安原が居る。 安原は、青いネクタイをしている。 一同、テーブル上の大きなダンボール箱を取り囲んで、考え込んでいる。 一同 「(考え込んで)ウ~ム」 鶴見 「(深刻に)どうする?」 今井 「どうしましょう」 春菜 「どうしましょうじゃないわよ。管理人が作ったんでしょ?」 今井 「はい、私が作ってしまいました」 リサ 「だったら管理人さんが責任を」 今井 「イヤイヤ、私は無理です」 安原 「しかし、誰かが試さないと始まりません」 今井 「そうみたいですねぇ」 美智子 「そんな他人事みたいに」 春菜 「管理人が責任取りなさい!」 今井 「失敗したらどうするんですか!」 リサ 「自分で作っておいて、その言い種」 今井 「(頭を抱え)ハァ、作るんじゃなかった」 美智子 「一つ伺いますが」 今井 「何でしょう?」 美智子 「(目を細めて)これって、本当にタイムマシンですか?」 鶴見 「お、核心をついたねぇ」 今井 「何ですか、その疑いの眼は」 リサ 「もう少し、この曖昧な感じを楽しみたかったんだけどなぁ」 安原 「正直訊くのが怖いのもありましたが」 美智子 「早くハッキリさせた方がいいと思って」 今井 「本物ですよ。これは紛れもなくタイムマシンです!」 鶴見 「それにしても手作り感満載だな」 リサ 「夏休みの自由研究みたい」 安原 「しかも始業式前日に慌てて作った感じです」 今井 「発明好きの祖父が残した設計図を元に作ったら、こうなっちゃいました」
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