画面に映る

2/2
1478人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
 パソコンから放たれる青白い光は、年々、私の視力の低下を促し、私の心をどんどん無機質で、冷ややかな物にしている。  仕事が終わり、電源を落として真っ暗な画面に映った自分の顔を見る度に、その考えはやはり間違っていないと確信に似た物に心を占領される。  入社五年目。営業補佐という名のついた、雑用をもう五年もしている。書類を作り、男どもの雑用を任され、時にはおべっかも使い、顔に微笑みの仮面を貼り付ける。  食べていくため? 何のために働いているのかなんて、とっくの昔に忘れてしまった。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!